2009/09/21

中級ドイツ語のしくみ

中級ドイツ語のしくみ
清野 智昭
白水社
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清野智昭の著による中級者向けドイツ語文法の解説書。最初の70ページくらいをざっと目を通してみましたが、実に素晴らしい!かゆいところに手が届く、というのはまさにこの本のことか。

文法書、というのは往々にして無味乾燥な構文や例文の羅列になりがちで、どういう理屈が裏にあるのかなんてことをしっかり書きません。書いたら紙面が足りなくなって、例文が少ないとかなんとか苦情が来るのかな?この本はその理屈の部分を重要視しているようです。20歳くらいまでの若いうちは、そんなこと説明されなくても例文をひたすら暗記して、独文解釈して、作文してたら体で身につきます。ティーン越えるとそういう訳にはいきません。本書のような懇切丁寧な説明がほしくなります。結果、例文は非常に少なく主に日本語での文法解説というマニア向けの仕上がりになってしまってますが、清野先生のご尽力の甲斐あって読ませる文法書として素晴らしいできです。

初級文法を一通り勉強していないと読めないと思います。ただし、僕が楽しんで読めてるあたりそれほどハードルは高くないのかも。ちなみに僕は高校の間趣味でNOVAに1年半通ってドイツ語を勉強したのみなので、ブランクはおよそ8年です。このブランクはこの本を読んで埋まるようなものではありませんが、「読む」という行為の妨げになるほどのものではありません。三つ子の魂なんとやら、ですか。というわけで、初級~中級といった感じの知識で読めることは間違いありません。

注意しなければいけないのは、この本は言語学の新しい成果を前面に押し出した(本当に新しいかは専門家ではないので分かりません)読み物だという一点。試験で合格点が取れればいい、とかドイツ語ネイティブとドイツ語で会話がしたいといった人にはおすすめできません。あまりにも遠回りです。一方、ドイツ語中級の本だと銘打ってありますが、言語学に興味のある方にとってはドイツ語を知らなくても辞書を見ながら読めるような気もします。ドイツ語の統語論的な側面を垣間見るのによい入門になるかもしれません。

以上。よろしければご一読ください







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