
(写真はサントラ盤のジャケットです)
ジェニーの悲運,刑務所での抑圧.彼女を取り巻くすべてのものが暗い闇のように感じられる.彼女に光を当てるのは,愛する人を失い,ひとり老いたピアニスト.ふたりの哀しい運命は,観衆をはりつめた緊張感の中へと誘い込む.
物語の最高潮で,ジェニーはたった4分間の自由を手に入れる.そこで,彼女の抑圧された精神がピアノを通じて解放される.伝統的な音楽のみを追求した老婆でさえ,ジェニーの創る音に魅了される.彼女の奏でる音色のあまりの激しさに,見るものは皆,息を呑む.緊張に喘ぎつかれた観衆の心は高鳴る.
本当にすごく力強い映画だ.ドイツ映画がもっと日本でも認知されればいいのに.
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