キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
posted with amazlet on 07.12.05
J.D. サリンジャー J.D. Salinger 村上 春樹
白水社 (2006/04)
売り上げランキング: 5944
白水社 (2006/04)
売り上げランキング: 5944
村上春樹による新訳.数年前に話題になった本だが,やっと読むことができた.
ひとつ分かったこと.僕は村上春樹の翻訳が好きだということ.もちろん,すべてを読んだわけではありませんし,小説家としての彼の作品にも非常に共感を抱いているので,少しバイアスがかかっているかもしれません.それでもやはり彼の翻訳には,原作に対する敬意と,翻訳という行為に対する「躊躇」が感じられます.これは非常に素晴らしいことだと思います.なぜ躊躇が素晴らしいのかというと,それはつまり,「すべての文学作品は原語で読まれるべき」だからです.だから無理な意訳もないですし,作者の意にそぐわない超訳も(おそらく)ない.その他,翻訳に対する村上の信念は,『グレート・ギャッツビー』の訳書のあとがきを読めばお分かりいただけるかと思います.僕はそのあたりの彼の態度に,非常なまでの共感を抱いてしまったということでしょう.
これじゃあ全然キャッチャー・イン・ザ・ライの感想になってないな.ということで,疑問に思ったことがひとつ.なぜ,これまでの翻訳では,
「ライ麦畑でつかまえて」
というタイトルがついていたんでしょうかね.「ライ麦畑でつかまえて」は,語呂は確かによいですが原作者の意図をまったく汲んでいないですよね.
と,大見得きりたいところですが,原作を読んでないのでちゃんと断言できない.そのうち原著を読んでからまた書きます.本自体の感想も含めて.いつになることやら.
0 件のコメント:
コメントを投稿