ギャヴィン・プレイター=ピニー
河出書房新社 (2007/07/18)
売り上げランキング: 4973
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5年前の夏,パリ.建物全部がモニュメントになるほど見事な建築がヨーロッパにはたくさんあります.当時はそんな建築物を鑑賞するべく,パリと北イタリアを中心にひと月ほど徘徊していました.
中でも,印象に残っているのが,パリ都心部の終点にある La Defenseというオフィス街です.ここには, La Grande Arche という凱旋門をモチーフにしたポストモダン建築があります.ロマネスク・ゴシック・ルネッサンス・モダンときて,どうしてもこの建物が見たかった(バロックが見られなかったのは,予算の都合でローマに行けなかったためです.ロマネスクにしろ,ほんとはスペインまで行ければよかったんだけど,それもままならず.建築旅行としては中途半端なものに終わりました)ので,言葉の通じない街でどうにかこうにかたどり着いた訳です.
建物自体も想像通りすごく衝撃的だったんですが,ここに来た目的を全部ひっくり返してしまうような,印象的な光景が広がっていました.
それは,真っ赤なキャンバスに浮かんだ格子模様.
夕焼け空にいくつもできた飛行機雲でした.京都にいると,飛行機雲が間近にできるということがないので,その時の光景が今でも目に焼き付いて離れません.結局,どんな芸術作品も自然の作る壮大な美しさにはかなわないんだなと感じ,以来僕は夕焼け空と雲が大好きになりました.30分ほどのショーを眺めながら,僕は旅先で出会い別れた女性のことを考えていた.と言ったら野暮になるのでやめましょう.
そんなこんなで,僕にとって雲はとても大事な存在です.僕からは,雲のお話はゆすってもほとんど出てきませんが,ギャヴィン・プレイター=ピニーの本には沢山の素敵なお話が詰まっています.
雲があるから空は美しい.この本を読んで確かにそうだなと感じてみてください.
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