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2009/05/29

森絵都 『架空の球を追う』

架空の球を追う
架空の球を追う
posted with amazlet at 09.05.29
森 絵都
文藝春秋
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森絵都によるショートショート・短編集。すべて女性の一人称で書かれています。彼女たちの日常にある少し風変わりな出来事がモチーフになっています。ときに面白おかしく、ときに深く考えさせられる。読者を飽きさせない一冊です。

ただし、森絵都さんは長編が断然よい。これはショート・トリップを読んで以来の拒否反応かもしれませんが……。少し赴きは違うものの、星新一さんと比較しちゃうからだめなのかなぁ。よく分かりません。






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2008/04/28

森絵都 「いつかパラソルの下で」

読んだのは文庫だけど,写真がなかったので両方のっけときますね

いつかパラソルの下で
森 絵都
角川書店
売り上げランキング: 55913


no image
森 絵都
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 5578



森絵都さんはとても好きな作家さんです.哀しい陰を背負いながらも,力強く生きる子供たちを描く.とても美しく.軽やかに.楽しく.本当に音楽を聴いているみたいだ.これは,僕が女性の作品に惹かれる理由の一つでもあるのですが,彼女(と江國さん)の作品は別格です.

ただ,情緒的な文章を嫌う方には受け入れられないのかな,とも思います.子供じみた物語.確かにそうかもしれません.緻密な論理や,物語世界の完全性や非日常性を求めると確かに納得できない部分も多いかもしれません.

それでも,僕は情緒的な文章が好きなんです.自ら生んだ登場人物を,愛して愛して,どうにかこうにか何とかしてやりたい.そういう親の気持ちが読んでいてすごく伝わってくる.それがとても心地いいんです.彼女の物語世界を支えるものは,男性的に論理的な思考ではなく,やはり女性的な感性から紡ぎだされる温もりなんじゃないかと思ってしまうんです.情緒的に非論理的に.


親が注ぐ無条件の愛
子が抱く逃れようのない連帯感

すごく,すごく,すごく,よい.世界中の人が読んでくれればいいのに.

2008/02/20

森絵都 「永遠の出口」 (集英社文庫)

永遠の出口 (集英社文庫(日本))
森 絵都
集英社 (2006/02/17)
売り上げランキング: 37511



我々は人生の様々な場面で,様々な形の出会いと別れを繰り返す.中でも,作者は小学生から高校までの時代を選んだ.別れが一生背負なければならない十字架のように感じられる時代だ.それでも少しずつ重荷は軽くなっていく.年を経るにつれ,別れの形も変わっていくのだ.これは,大人になった証であり,少し哀しい現実である.

そんな10代の激動を描く筆力を,森絵都は惜しげもなく見せ付けてくれる.子供と大人の間,その微妙で曖昧な時代を,こうも鮮明に描く彼女はどんな人なんだろう.作品を超えて,森絵都その人をもっと知りたくなった.



特に,気に入った表現を引用します(文庫版第4刷,p.111)

『それから長い年月が流れて、私たちがもっと大きくなり、分刻みにころころと変わる自分たちの機嫌にふりまわされることもなくなった頃、別れとはこんなにもさびしいだけじゃなく、もっと抑制のきいた、加工された虚しさや切なさにすりかわっていた。どんなにつらい別れでもいつかは乗りきれるとわかっている虚しさ。決して忘れないと約束した相手もいつかは忘れると知っている切なさ。多くの別離を経るごとに、人はその瞬間よりもむしろ遠い未来を見据えて別れを痛むようになる。』

胸を打った.