2008/06/21

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女
夜は短し歩けよ乙女
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森見 登美彦
角川書店
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あー,疲れたー.たかだか300頁の本に何週間もかけてしまった.それもこれも文体の気持ち悪さに馴染めなかったからに違いない.意図的に読者を錯乱させるこの文体は,川上未映子以来(意外と最近だ)の読みにくさだ.難しいとかではなく,肌に合わないという意味で.

よく知った京都の町並みと,大学内部がでてくるってのも少し気持ちをどんよりさせる一つの原因でもある.現実離れした話題をもってくるのは,現実に知らない場所の方がいい.読んでて楽だ.現実とのオーバーラップに苦しまなくてすむ.「鴨川ホルモー」もやっぱり同じ理由で読みにくいと思ったんですよね.

さて,ごくごく個人的な感想になってしまったことを反省.僕は,個人的な感想を否定的に書きたくないんだけど(それはただの悪口や愚痴になる),でもこれはどうしても書かなければならなかった.なぜなら,前半のカオスとは裏腹に,ラストの4章はきれいにまとまっていると思ったから.最後の章は,「先輩」と「黒髪の乙女」が交互に語るという体になっているんだけど,語らせ方が非常にうまい.1~3章でセットアップされたむちゃくちゃな仕掛けの数々が,この4章をうまく盛り上げている,いや,前半のから騒ぎがなければ4章がただのオーソドックスな物語に終わってしまうだろう.それほどまでに,むちゃくちゃな前半部は重要だ.

うん.結果的にはよかった.

でも,京都大学生が変な人ばっかだって思われるのはしゃくだなぁ.普通の人代表として.(異論は認めません)


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