2008/01/22

桜庭一樹 「私の男」 (文藝春秋)

私の男
私の男
posted with amazlet on 08.01.22
桜庭 一樹
文藝春秋 (2007/10)
売り上げランキング: 14


読み手の好奇心を激しく掻き立てる構成,嫌悪すら覚える物語展開.前半部に語られる狂気に満ちた父娘の愛を,一体誰が責めることができるだろう?家族の匂いと,温もり,そして絆.皆が持つものを得られなかった痛みを,彼らなりの方法で癒しあっているのだから.

2人の絆――血で錆付いた鎖――その起源を手繰るような種明かしは圧巻.

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
あし@でブログをお気に入りに加えていただいてありがとうございます。
直木賞とさらに話題の桜庭さんですが、いろいろな評判を聞くと「私の男」はちょっとアクが強そうな印象です。
「少女には向かない職業」、「少女七竈~」は楽しめたのですけどね。
というか、図書館派なので読めないかもしれないというのが真相ですね。
また、お邪魔させてくださいね。

くらげ さんのコメント...

コメントありがとうございます!

私は,「私の男」で桜庭一樹に出会ったので,他の作品はわかりませんが...すごくいい作品だと思いますよ.たしかに他の方の感想を読んでいると,「作品世界に共鳴できない」といった趣旨のものもありましたね.私は作品の世界にどっぷり浸かるような読み手ではなく,あくまで第3者的に読むタイプなので,この手の感想にはどちらかというと賛同できません.だって,完全に共鳴できちゃうなら,わざわざ小説で体験しなくてもいいじゃないですか

匿名 さんのコメント...

再びこんにちは。
>だって,完全に共鳴できちゃうなら,わざわざ小説で体験しなくてもいいじゃないですか
ああ、何か忘れかけていたことを思い出させていただけたように思います。
雑食、乱読派なのも自分が体験し得ない世界をいろいろとのぞけるからに他ならないのに。
これでまたいろんな本を手に取れます!