2007/10/04

国際通貨研究所・編「外国為替の知識」(日経文庫)

多くの著者の共著という形ではよくあることですが,章ごとの記述のレベルにばらつきがありすぎて,しかも流れもよくないし,正直読みにくい.各著者が得意な分野を執筆されているのだとは思いますが,これでは駄目.「入門書」としてふさわしくない.

まず,4章まではよく書けていると思います.とだけ,フォロー.

文庫本サイズの本ってことは,通勤の電車の中で気軽に読めるっていう想定もあるはずなんだけど,内容の選択がまずミスっている.外国為替の業務では,貿易が重要なファクターになるのは分かる.でも,貿易の制度について詳細に書く意味はないだろう.書くとしてももっと簡単に書けるはずだ.少なくとももっと容易に理解されるよう努力をするべきだ(5章).6章以降もそうだ.素人が読んでも分からん.

つまり,外為について学びたい人がこの本を読むときは4章までで外国為替の概要を理解して,次に別の書籍にあたるべきだと思います.それでも,マクロの開放経済の初歩と銀行制度についてかじったことがないと,しんどいかもしれないですが.

外国為替の知識 第2版
外国為替の知識 第2版
posted with amazlet on 07.10.04
国際通貨研究所
日本経済新聞出版社 (2007/04)
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